これまで2回にわたり、子どもが不登校になった時の対処法について紹介しました。最終回は、再び登校を始めた際に気を付ける点を考えてみましょう。
「毎日登校」は要注意
4月からの新年度は、これまで不登校だった子どもが学校へ復帰しやすい時期です。子どもは逃げ出したくなる気持ちを必死に抑えて、再登校に挑みます。このような子どもの心情を、周囲の人々は気に留めておく必要があります。
再登校期の子どもは、登校と欠席を繰り返します。学校生活に慣れてくると、次第に登校する日数が多くなっていきます。
ですが、最初から毎日登校する子もいます。一見、良いことのように思えますが、このように頑張りすぎると、ゴールデンウィーク明けに再び不登校となる場合が多くあります。
これはマラソンに例えると、42.195kmを50mダッシュで走り続けている状況で、息切れを招くことは明白です。ただ、当事者である子どもは全力疾走に気付いていない場合が多く、不登校再燃の未然防止を難しくする要因になっています。
定休日を作ろう
では、どんなところに気を付ければいいのでしょうか。
大切なのは、適度な休息を取らせることです。周囲の者が本人に代わってブレーキをかけてあげましょう。例えば、「午前中だけ登校させる」「部活動は休ませる」「あえて欠席する日を作る」といった方法が考えられます。
お勧めは「定休日」を作ることです。例えば、水曜日を定休日と位置付け、「学校へ行かず、家でゆっくりと体を休める日」とします。すると、月・火曜に頑張って登校し、1日休息。木・金曜に登校し、土・日曜が休息となります。「2日間頑張って休む」を繰り返すことで、リズミカルな生活が保障されます。家で休むのではなく、学校の別室教室や、学校外の適応指導教室を利用してもいいでしょう。
休息とともに必要なことは、子ども自身が、自分を信じて支え続けてくれる保護者の存在に気付くことです。不登校の支援にマニュアルはありません。すべてがオーダーメイドです。保護者は学校などと連携して、子どもが一番気持ち良く休める方法を考えましょう。
以上の方法がスムーズにいけば、6月ごろには特別な休息は必要なくなるでしょう。「不登校」は解決できます。ただし、適切な支援が必要です。一人で悩まず、誰かに相談することが、その第一歩となります。
取材協力/浜松市教育委員会 教育総合支援センター 053-457-2424(相談専用ダイヤル)