直虎の事件簿

直虎の事件簿 File.2

亀之丞失踪事件 【前編】 婚約者が蒸発、弓矢で狙撃される!

(2017年2月9日号掲載)

今年の大河ドラマのヒロインは井伊直虎。物語の舞台は浜松市北区の引佐町、地元にはゆかりのスポットが数多く残されている。戦国時代、井伊家に起こった事件を"現場検証"しながら、直虎の足跡を訪ねてみよう。


井伊氏の拠点・井伊谷から北へ約5㎞。"観音の里"の名で親しまれている伊平の山中には、「亀之丞の隠れ岩」と呼ばれる巨大な岩の塊がある。ここは直虎の婚約者・亀之丞が、今川の追っ手から逃げる際に、身を隠した場所と伝えられている。

亀之丞は道中、右近次郎に狙われる
(伊藤信次・画)

天文13年(1544年)、直虎の大叔父に当たる井伊直満・直義の兄弟が、謀反の疑いで今川氏に殺された。さらに、直満の嫡男である亀之丞も、謀反人の息子として今川から命を狙われてしまう。危機を感じた直満の家老・今村藤七郎は、カマス(藁むしろの袋)に亀之丞を入れると、それを背負って山中へと逃げ込んだのだ。

龍潭寺の南渓和尚の紹介で、信州の松源寺にかくまわれることになった亀之丞。まずは渋川の東光院に身を寄せ、住職・能仲和尚に道案内を頼んだ。ところが、道中、彼にピンチが訪れる。

信州街道の坂田峠という場所で、大平右近次郎(おおだいらおこのじろう)という刺客が矢を放ってきたのだ!地元では弓の達人で知られる右近次郎。矢は幸運にも彼の体をかすめ、草鞋のひもを切るにとどまった。

亀之丞は危機を逃れ、信州への道を急ぐ。実は右近次郎とは10年後、再び顔を合わせることになるのだが、それは次回紹介しよう。(3/23号に続く)

【スポット1】
伊平の山中に残る「亀之丞の隠れ岩」。NPO法人いーら・いだいらの方が案内してくれた
【スポット2】
亀之丞が信州へ逃れる際、身を寄せた渋川の東光院。境内の裏には直親(亀之丞)の墓がある

取材協力/井の国会、NPO法人いーら・いだいら、渋川の歴史と文化を守る会