特集

聖隷健康診断センター婦人科検診 SEIREI-CAREプログラムとは?

(2021年6月24日号掲載)

乳がんや卵巣がんの未発症者を対象に、それぞれの病歴や家族歴から遺伝性のがんを発症する可能性について検討し、一人ひとりに最適ながん検診プランを提案していくプログラムです。

聖隷健康診断センター婦人科検診 その①遺伝子変異に基づく個別化検診プログラム(※)で、がんの早期発見早期治療につなげる。

聖隷健康診断センターの婦人科検診の第1弾は、今年4月から新たに始まった「SEIREI-CAREプログラム」について、常に女性の立場に立った丁寧な診療に取り組む婦人科の入駒麻希医師に伺いました。

婦人科医師
入駒 麻希さん

1997年 島根大学卒

専門医・資格等

  • 日本乳癌学会 認定医
  • 日本女性医学学会 女性ヘルスケア専門医
  • 日本産科婦人科学会 専門医・指導医
  • 日本超音波医学会 専門医・指導医
  • 日本臨床細胞学会 専門医
  • 日本産婦人科乳腺医学会

Q 日本の乳がん、子宮頸がん検診の現状は?

A 日本の検診受診率は40~50%にとどまり、まだまだ低いのが現状です。一方、欧米の検診受診率は70~80%とかなり進んでいて、がんの予防・早期発見の推進により、がんとの共生やがんを克服できる環境が整いつつあります。

Q 乳がんにかかる年齢層は?

A 日本の女性が乳がんにかかる年齢は諸外国に比べて若く、40歳代がピークとなることが社会の課題になっています。

Q 遺伝でがんが発症することも?

A 乳がんと卵巣がんの約10%は遺伝学的な要因が強く関与して発症すると考えられています。

Q 遺伝学的リスクがわかれば、がんの早期発見が期待できる?

A そうですね。乳がんは遺伝学的リスクが高いため、リスクがあらかじめ把握できれば、がんの早期発見・早期治療につなげることができます。

Q それで個別化検診プログラムサービスの開始を?

A はい。聖隷とコニカミノルタ株式会社が共同で、個別化検診プログラムサービス「SEIREI-CAREプログラム」を開発し、2021年4月から聖隷健康診断センターで提供を始めています。このプログラムは、がん未発症の段階から遺伝学的検査を取り入れるという日本で初めての、そして聖隷独自のプログラムです。

Q SEIREI-CAREプログラムを利用するメリット、デメリットは?

A 「自分はがんの家系ではないか」と不安に思っている方をはじめ、全ての方々に遺伝性がんに関する正しい知識を持っていただくとともに、スマートフォンやパソコンを使ったAI(チャットボット)問診で、遺伝性の乳がん、卵巣がんのリスクが高いかどうか、判別することができるというメリットがあります。その一方で、遺伝性のがんを発症するリスクが高いと判断された場合、新たな不安が生じてしまうというデメリットもあります。そうした方々のためにも、必要に応じて遺伝カウンセリングや、希望者には遺伝学的検査を実施して、一人ひとりに合った個別化がん検診プランをご提案させていただいています。また、看護師をはじめとするレディスフロアの医療スタッフがいつでも相談できる体制を整え、一丸となって女性の皆さんをサポートしていきます。

1 聖隷健康診断センターでの婦人科検診を予約後、郵送で届くプログラム案内をよく読み、専用サイトにアクセス。プログラムに利用者登録をする。

2 スマホやパソコンを使って、オンライン会話形式の「AI(チャットボット)」で問診に回答。その後、遺伝性疾患に関する動画を閲覧し、正しい知識を得る。

3 検診当日、AI(チャットボット)問診の内容を踏まえて看護職との面談。希望者には遺伝の専門医やカウンセラーによる4カウンセリングを実施。(基本60分約1万円)

4 さらに希望する方には血液による遺伝学的検査を実施。検査結果に基づいて個別に面談し、その方のためのがん検診プランを提案する。

Q 今後のSEIREI-CAREプログラムの方針・展開は?

A 現在は乳がん、卵巣がんを対象としていますが、将来的には大腸がんや前立腺がんなど、他のがんへと対象を広げ、さらに認知症などへの展開を考えています。将来的には、さらなる個別化検診の充実へとつなげていきたいと思っています。

Q 最後に、先生から読者へのメッセージをひと言。

A SEIREI-CAREプログラムを通じて、一人でも多くの女性の健康維持に貢献したいと考えています。また、女性の年齢とともに起こりやすい婦人科の病気も変化します。ご自身の健康を守るためにも、病気の早期発見につなげるためにも、ぜひ、定期的に検診を受けていただきたいと思います。当センターのレディスフロアは、文字通り女性専用のフロアです。スタッフも全員女性ですので、安心してお越しください。

日本初の個別化検診SEIREI-CAREプログラム

※聖隷とコニカミノルタが共同開発した日本初の遺伝子変異に基づく個別化検診プログラムです。がんの未発症者である検診受診者に、SEIREI-CAREプログラムのAI(チャットボット)問診を行い、得られた情報から乳がんや卵巣がんの遺伝性腫瘍のリスクを判別します。リスクの高い人には一般的ながん検診ではなく、その人に合ったがん検診プランを提供するのが特徴です。

女性看護スタッフが親身になって一人ひとりに丁寧に対応。説明や相談を通じてしっかりサポートしていきます。

聖隷健康診断センター婦人科検診 その②子宮頸がんはワクチン接種と検診で予防できる。

聖隷健康診断センターの婦人科検診の第2弾は、子宮頸がん検診とHPVワクチンについてです。明るく優しい笑顔が印象的な婦人科の浅沼栄里医師にお話を聞きました。

婦人科医師
浅沼 栄里さん

2009年 聖マリアンナ医科大学卒

専門医・資格等

  • 日本産科婦人科学会 専門医
  • 日本女性医学学会 女性ヘルスケア専門医
  • 検診マンモグラフィ読影認定医

Q 子宮頸がんの現状は?

A 日本では20~40代を中心に毎年約1万人の女性が子宮頸がんと診断され、年間約2800人が亡くなっています。

Q 子宮頸がんの原因は?

A 子宮頸がんの95%以上がヒトパピローマウイルス(HPV)の感染で起こります。子宮頸がんに関連するHPVは13種類あり、「ハイリスクHPV」と呼ばれています。HPVは主に性的接触で感染することが知られていますが、感染しても多くの場合、免疫によって排除されます。排除されずに感染が続くと、一部が数年から数十年かけて、がんへと進行します。

Q 子宮頸がんの予防は?

A 子宮頸がん検診の受診とHPVワクチンの接種という2つがあります。

Q HPVワクチンの接種と効果は?

A 当センターではHPVワクチンの接種を行っています。定期接種対象者のみならず、対象から外れた方も、ワクチン接種が可能です。定期接種の対象者は小学校6年~高校1年相当の女の子です。対象者は公費負担により無料で接種が受けられます。同じワクチンを6ヶ月の間に合計3回接種します。海外や日本の調査ではHPVワクチンを接種することにより、子宮頸がんの前がん病変を予防する効果が示されていますが、最近の海外の報告では、浸潤がんを予防する効果についても証明されています。

Q HPVワクチンのリスクは?

A HPVワクチン接種後の多様な症状は、機能性身体症状といわれています。外国の研究などからも、ワクチン接種による神経症状の増加は疫学的には証明されていません。症状の多くは、接種部位の発赤、疼痛、頭痛、めまいなど、一過性で軽症のものですが、重い症状として、アレルギー症状や重い神経症状などがあります。これまでの報告では、約338万人接種で副反応の疑いは1万人あたり8人、うち約90%が軽快・回復、未回復は全接種の10万人あたり5人の割合といわれています。

Q 最後に先生からひと言。

A 子宮頸がんは、ワクチン接種と定期的な子宮頸がん検診により予防できるがんです。この2つが普及しない限り、子宮頸がんの患者さんは減らないと我々は考えています。がんになる前に発見し、治療することができれば、将来の妊娠・出産も可能です。10年後の自分や家族が後悔しないように、ワクチンについて話すきっかけになってくださることがまず第一歩と考えています。そして、ワクチン接種をしてもしなくても、20歳になったら定期的に検診を受け、それが当たり前な世の中になってほしいと思っています。

聖隷健康診断センター 浜松市中区住吉2丁目35-8

「SEIREI-CAREプログラム」に関するお問い合わせ

053-477-8904 受付時間13:00〜17:00(土・日曜、祝日を除く)

「HPVワクチン接種」に関するお問い合わせ

0120-938-375 受付時間 平日9:00〜16:30/土曜9:00〜12:00