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ご存知ですか? 持っていますか?

「かかりつけ薬剤師」

(2018年10月11日号掲載)

2016年4月から始まった「かかりつけ薬剤師制度」。導入から2年が経ちますが、まだまだ知らない人が多く、制度の名は知っていても、内容まで理解している人は少ないようです。そこで今回は改めて、かかりつけ薬剤師の制度やそのメリットについてご紹介します。

意外に知らない薬剤師の仕事

医療機関で処方せんをもらったら、皆さんはどこで薬を受け取りますか?通常は医療機関近くの薬局で、という人が多いと思います。薬局では薬の専門家である薬剤師が対応し、患者が持参した処方せんに基づいて調剤し、薬を手渡してくれます。

「薬剤師の仕事は、ただ薬を調剤してお渡しするだけではないんですよ。例えば、処方せんの内容やお薬手帳などをチェックして、同じ成分の薬が重複していないか、飲み合わせの問題はないかなどの確認をしたり、一人ひとりの薬歴管理をしたり、また、患者さんから薬に関する相談を受けたりすることなども含まれています」と語るのは、浜松市中区で『たかはし薬局』を営む薬剤師の高橋聡さん。

現状では、一人の患者が複数の病院にかかり、そしてまた複数の薬局を利用する場合が大半です。そのため、薬の重複や飲み合わせの悪さから、副作用が起こることも少なくないようです。そうしたトラブルを防ぐためにも、「かかりつけ薬剤師・薬局を持つことをおすすめしたい」と高橋さんは言います。

かかりつけ薬剤師・薬局とは?

では、かかりつけ薬剤師とは、どんな制度でしょうか。それは、患者が身近な薬局などで担当の薬剤師を決めることで、薬の服用状況などを一元的・継続的に管理してもらえる制度です。メリットとしては、複数の医療機関から出ている処方薬や市販薬、健康食品なども含め、患者の服薬情報を1つの薬局でまとめて把握することにより、薬の重複や飲み合わせなどのリスクが防げることです。毎回、同じ顔なじみの薬剤師から、これまでの処方歴や病歴などを踏まえ、その患者に合った適切なアドバイスや服薬指導が受けられます。

また、薬が渡された後も、薬の効果はどうか、副作用が出ていないか、体調に変化はないかなど、患者の状態を継続して見守ってもらえるので安心です。もし、いつもと違う変化が見られた場合は必要に応じて医師への連絡やフィードバックを行うなど、医療機関とも連携したサポートを受けることができます。

「他にも、薬の飲み忘れや飲み残しを防ぐためのアドバイスをはじめ、薬や健康に関する様々な相談に対応しています」と高橋さん。夜間や休日を含めた時間外でも、電話などで薬の相談に応じてくれるそうです。

お薬手帳は大事な情報源

「薬局に来る時は、お薬手帳を忘れずにお持ちください」と力を込める高橋さん。お薬手帳には副作用歴、アレルギー歴、病歴を含め、薬に関する患者自身の情報が記録されているので、薬をより安心安全に服用するためにも、「ぜひ活用していただきたい」と言います。「そうすると、薬の購入時に支払う管理指導料が10~40円ほど安くなりますよ」という、うれしい情報も!

また、スマホアプリを使った便利な「電子お薬手帳」を活用するのもおすすめです。紙の手帳同様に使える上、アプリの"処方せん画像送信機能"を使って、かかりつけの薬局に処方せんを送れば、待ち時間が短縮され、スムーズに薬が受け取れます。処方せんはアプリの他、SNSやメール、FAXなどでも受け付けてくれるところもあるそうです。

eお薬手帳

スマホを使って簡単・便利に薬の情報管理ができる電子お薬手帳もおすすめ。

お薬手帳

自分が使っている薬の名前や量、日数、使用法などを記入する手帳。副作用やアレルギー、過去にかかった病気なども記すことで、副作用や飲み合わせのリスクを減らすことができる。病院や薬局にかかるときは必ず持参したい。

地域全体で見守りを

「地域に根ざした薬局として、今後は薬剤師による在宅訪問も、地域医療の中で必要不可欠な業務になってくると思います」と高橋さんが語るように、医師や訪問看護師、介護士などとも連携しながら、在宅患者の服薬管理を行うことがますます重視されているようです。高橋さんは、「在宅で治療や介護を受けている患者さんはもとより、いずれは、その家族の方々のサポートもしていきたい」と話します。

薬中心から患者中心へと変わりつつある"町の薬局"。生涯にわたって、自分や家族の健康をサポートしてくれる良きパートナーとして、信頼できる薬局・薬剤師を選び、いつでも気軽に相談しましょう。

かかりつけ薬剤師を持つメリット

  • 患者がどんな薬や健康食品を飲んでいるのかを薬剤師が把握し、薬の重複や飲み残しを防いでくれる
  • 服用した薬の効果や体調の変化を見ることができるため、副作用が疑われたときも迅速に対応してくれる
  • 薬や健康に関する相談に、24時間対応してくれる
かかりつけ薬剤師を利用する場合
どこの病院にかかっても、もらう薬局を1つに決めておけば、余分な薬を飲んだり、副作用が起こったりするリスクを軽減できます!
病院ごとに違う薬局へ行く場合
病院の門前薬局からそれぞれ薬をもらい、なおかつ「お薬手帳」をもっていいないと、薬が重複したり、飲み合わせが悪い薬が出されたりする危険性があります

イベント情報

取材協力/浜松市薬剤師会、たかはし薬局(浜松市)